
対抗宗教改革と聞くと、何を思い浮かべますか? 宗教改革によってプロテスタントが誕生したことはよく知られていますが、その動きに対抗してカトリック教会が行った改革のことを「対抗宗教改革(カウンター・リフォーメーション)」と呼びます。
プロテスタントの影響力が拡大するなか、カトリックはどのように対応したのでしょうか? そして、それによってカトリック教会はどのように変わったのでしょうか? その影響を詳しく見ていきましょう!
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宗教改革によってプロテスタントが「聖書のみ」を重視したのに対し、カトリック教会は「聖書だけでなく、伝統も大切」であることを強調しました。
この考えを明確にするために開かれたのが、トリエント公会議(1545 - 1563)です。この会議では、
などの決定がなされ、カトリックの教えが明確化されました。これによって、カトリック教会はより統一された組織へと変わっていったのです。
プロテスタントが広がるのを防ぐため、カトリック教会は教育や宣教に力を入れました。その中心となったのが、イエズス会(ジェズイット会)です。
1534年にイグナティウス・ロヨラ(1491 - 1556)によって設立されたイエズス会は、
といった活動を展開しました。これにより、カトリックはヨーロッパ以外の地域にも広がり、グローバルな宗教へと発展していったのです。
カトリック教会は、プロテスタントが質素な信仰を重視したのに対し、豪華な芸術や建築を使って信仰を表現しようとしました。
この流れから生まれたのが、バロック美術です。カラヴァッジョやルーベンスの宗教画は、ドラマティックな構図や光と影のコントラストを強調し、信仰の力強さを表現しました。
また、カトリック教会の建築も壮麗なものが増え、ローマのサン・ピエトロ大聖堂はその象徴的な存在となりました。
カトリックはプロテスタントの広がりを防ぐために、異端審問や宗教裁判を強化しました。
特にスペインではスペイン異端審問が行われ、プロテスタントの影響を排除するための厳しい取り締まりが行われました。また、禁書目録(Index Librorum Prohibitorum)を作り、カトリックの教えに反する本を禁止しました。
このように、カトリックは厳しい姿勢をとる一方で、教育や芸術を通じて信仰を守る戦略も取り入れていったのです。
影響 | 具体的な内容 |
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教義の強化 | トリエント公会議でカトリックの教えを明確化し、教会の権威を再確認 |
布教の拡大 | イエズス会が世界各地へ宣教師を派遣し、カトリックの影響力を広げた |
芸術の発展 | バロック美術が発展し、カトリックの信仰を視覚的に強調 |
宗教裁判の強化 | 異端審問や禁書目録によって、プロテスタントの影響を排除 |
こうして見ると、対抗宗教改革は「プロテスタントに対抗するための防衛策」だっただけでなく、カトリック教会をより強く、よりグローバルな組織へと変えるきっかけにもなったんですね! 今のカトリックの姿も、この時の改革が大きく影響していると考えると、とても興味深いですね!