宗教改革と科学革命の共通点|人々の考え方の変化とは?

宗教改革科学革命。一見すると関係のない出来事のように思えますが、実はこの二つには共通する要素があるんです。

 

どちらも16世紀から17世紀にかけて起こり、それまでの考え方を大きく変えました。そして、最も重要なのは人々のものの見方や思考の変化です。では、宗教改革と科学革命はどのように関連し、どんな共通点があるのでしょうか? この記事では、二つの革命のつながりを分かりやすく解説します!

 

 

宗教改革と科学革命の共通点

 

① 権威を疑う姿勢

宗教改革も科学革命も、「これまでの常識は本当に正しいのか?」と問い直すところから始まりました。

 

宗教改革では、カトリック教会の権威が絶対視されていました。しかし、マルティン・ルター(1483 - 1546)やジャン・カルヴァン(1509 - 1564)は「本当に教会の言うことが正しいのか?」と疑問を持ち、聖書を自分で読んで理解すべきだと主張しました。これにより、人々は「教会の教えを鵜呑みにする」のではなく、自ら考えるようになったのです。

 

一方、科学革命でも、それまでの「天動説」が絶対的な真理とされていました。カトリック教会は「地球は宇宙の中心であり、太陽が地球の周りを回っている」と教えていましたが、ニコラウス・コペルニクス(1473 - 1543)やガリレオ・ガリレイ(1564 - 1642)らが「本当にそうなのか?」と疑い、地動説を提唱しました。つまり、科学革命でも「権威に頼らず、自分たちで確かめる」という姿勢が生まれたのです。

 

② 「個人の思考」を重視する流れ

宗教改革と科学革命はどちらも「個人の考え」を大切にする動きを生み出しました。

 

宗教改革によって、信仰は「教会を通じてではなく、自分の心と神との関係で成り立つもの」という考え方が広まりました。カトリックの「聖職者が神の代理人として人々を導く」という考えに対し、ルターは「すべての人が直接神とつながることができる」と主張しました。これが個人の自由な信仰につながったのです。

 

科学革命でも、真理を知るためには「聖書や教会の教えではなく、自分の観察や実験をもとに考えるべきだ」という姿勢が生まれました。例えば、フランシス・ベーコン(1561 - 1626)は「経験による知識」を重視し、ルネ・デカルト(1596 - 1650)は「すべてを疑い、合理的に考えるべきだ」と提唱しました。

 

どちらの革命も、人々に「自分の頭で考えること」の大切さを教えたのです。

 

③ 活版印刷による情報の拡散

宗教改革も科学革命も、活版印刷の普及によって急速に広まりました。

 

ルターの「95か条の論題」は、活版印刷によって一気にヨーロッパ中に広まりました。もし手書きの写本だけだったら、ここまで宗教改革が広がることはなかったでしょう。聖書もラテン語から各国の言葉に翻訳され、多くの人が直接読めるようになりました。

 

科学革命でも、ガリレオやヨハネス・ケプラー(1571 - 1630)、アイザック・ニュートン(1643 - 1727)などの科学者が著作を出版し、科学的な知識が広まるきっかけになりました。印刷技術のおかげで、多くの人が新しい考えに触れることができたのです。

 

宗教改革と科学革命がもたらした「考え方の変化」

「信仰の自由」と「学問の自由」

宗教改革は「信仰の自由」を、科学革命は「学問の自由」をもたらしました。人々は「誰かに決められた答えを信じる」のではなく、「自分で考えて答えを見つける」ことの重要性を学びました。

 

「神中心」から「人間中心」へ

中世ヨーロッパでは、すべての価値観がを中心に考えられていました。しかし、宗教改革と科学革命を経て、人々は自分自身で世界を理解し、考え、決断することの大切さを学ぶようになったのです。

 

近代社会への影響

このような「自分で考える」という姿勢は、やがて民主主義人権思想へとつながり、近代社会の発展に大きな影響を与えました。宗教改革と科学革命がなければ、今の「個人の自由を尊重する社会」は生まれなかったかもしれません。

 

こうしてみると、宗教改革と科学革命は「権威を疑い、自分で考える」という点で共通しているんですね! どちらも歴史を大きく変え、今の社会につながる重要な出来事だったことがよく分かります。歴史のつながりって面白いですね!