ヘンリー8世（1491 - 1547）は、イギリスの王としてイギリス宗教改革を主導した人物です。彼は、カトリック教会と対立し、最終的にローマ教皇から独立したイギリス国教会を設立しました。

 

しかし、ヘンリー8世が宗教改革を起こした理由は、ルターやカルヴァンのように純粋な信仰の改革を目指したものではありませんでした。では、彼はなぜ宗教改革を起こしたのか？ そして、彼が成し遂げたこととは？ 詳しく見ていきましょう！

 

 

ヘンリー8世の経歴

イングランド王として即位

ヘンリー8世は1509年にイングランド王として即位し、当初はカトリックの熱心な支持者でした。実際、彼はルターの宗教改革に反対し、教皇から「信仰の擁護者」という称号を与えられるほどでした。

 

王妃との離婚問題

ヘンリー8世が宗教改革を起こすきっかけとなったのが王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの離婚問題でした。具体的には

 

• キャサリンとの間に男子が生まれず、王位継承に不安を抱く
• 側近のアン・ブーリンと結婚し、後継ぎをもうけたいと考える
• しかし、ローマ教皇が離婚を認めなかった

 

こういった問題を解決するために、ヘンリー8世はローマ教皇の権威を否定し、独自の宗教改革を行うことを決意しました。

 

ヘンリー8世の宗教改革

首長令（1534年）

1534年、ヘンリー8世は首長令（国王至上法）を発布し、「イングランドの教会の最高権威はローマ教皇ではなく、国王である」と宣言しました。

 

これによって、イングランドはローマ・カトリック教会から分離し、国王が支配するイギリス国教会（アングリカン・チャーチ）が成立しました。

 

修道院の解散

ヘンリー8世は、ローマ・カトリックの影響を排除するため、全国の修道院を解散し、その財産を没収しました。これにより、王室の財政は強化され、多くの貴族が新たに土地を得ることになりました。

 

宗教政策の変化

ヘンリー8世の宗教改革は政治的な目的が中心であり、教義の改革にはあまり関心がありませんでした。そのため、カトリック的な要素を多く残したまま、国教会を運営しました。

 

ヘンリー8世の影響

ヘンリー8世の宗教改革は、その後のイングランド宗教史に大きな影響を与えました。彼の死後、息子のエドワード6世、娘のメアリー1世、そしてエリザベス1世の時代に、イギリス国教会の方向性はさらに変化していくことになります。

 

まとめ