
宗教改革は、16世紀のカトリック教会にとって大きな脅威でした。マルティン・ルターが95か条の論題を発表し、カトリックの教えや制度を批判したことで、教会は激しく反発しました。
では、当時のカトリック教会はどのように宗教改革を批判し、どんな主張をしていたのでしょうか? その内容を詳しく見ていきましょう。
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カトリック教会にとって教皇の権威は絶対的なものでした。しかし、ルターは「信仰のよりどころは聖書のみであり、教皇や聖職者の権威に従う必要はない」と主張しました。
これに対し、教会側は「教皇はキリストの代理人であり、信仰の指導者だ」と反論しました。もし教皇の権威を否定すれば、教会の秩序が崩れ、キリスト教世界が混乱すると考えたのです。
ルターは「信仰は聖書に基づくべき」と訴えました。しかし、カトリック教会は「聖書だけでなく、教会の伝統も大切だ」と主張しました。
カトリックは、使徒の時代から受け継がれてきた教会の教えや慣習が、正しい信仰を守るために必要だと考えていたのです。ルターの考えは、こうした長年の伝統を否定するものであり、教会側は「これは危険な思想だ」と警戒しました。
カトリック教会は、「ルターの主張は、キリスト教世界を分裂させる危険がある」と強く批判しました。
実際、ルターの考えが広がるにつれ、カトリックから離れる人々が増え、多くの新しい宗派が生まれました。カトリックにとっては、これは異端の拡大にほかならず、キリスト教社会の統一を脅かすものだったのです。
ルターは「免罪符を買えば罪が許される」という教会のやり方を激しく批判しました。これに対し、カトリック教会は「免罪符は悔い改めの証であり、罪そのものを帳消しにするものではない」と説明しました。
しかし、実際には免罪符の販売が乱用されていたため、教会の説明は説得力を持たず、多くの人々がルターの主張を支持することになりました。
こうして見ると、カトリック教会は「教会の権威」「伝統」「信仰の統一」を守るために、宗教改革を強く批判していたんですね! しかし、時代の流れのなかで教会の主張は次第に支持を失い、ルターの考えが広まっていったのが興味深いですね!